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科学者が発見した新しいダイエット法!?

肥満解消には、「立って動きまわること」が大切

 

このほど、現代人の多くが悩んでいる「肥満」「太り過ぎ」の原因のひとつが、日常生活のある行動に深く関係していることが科学者によって明らかとなった。その行動とは、座ること。「座り過ぎ」が肥満につながるのだという。
発表したのは、ミズーリ大学コロンビア校の研究チーム。彼らは、「人が座っているときには、脂肪燃焼をつかさどる酵素は機能していない」ことを突き止めたのだ。パソコンやテレビの前に何時間も座り続けていると、これまで考えられなかったような害が体に及ぶことがわかった。

 

 

長時間、座り続けることの弊害

「最初は信じられなかった」と話すのは、同チームのリーダーであるマーク・ハミルトン生物医学部准教授。人が座っているとき、脂肪に何が起こっているのかという研究を開始した際には、これほど注目に値する事実を発見することになるとは考えていなかったと彼は打ち明ける。
研究チームは実験を行うため、実験用のラットと豚、そして自分自身を含めた12人の有志を集めた。動物には、放射性の追跡因子を持つ少量の脂肪が注射された。「この脂肪の運命は?」とハミルトン准教授は問いかける。「筋肉で燃焼されると思いますか?」。
答えは「ノー(No)」。動物が座っているとき、脂肪は脂肪燃焼が行われる筋肉へとつながっている血管内には留まっていないことが、放射性の追跡因子により解明されたのだ。ではどこに? 脂肪は、肝臓などの臓器の周囲に存在する脂肪組織で見つかった。つまり、最終的に脂肪が落ち着いて欲しくない場所に吸収されてしまったのだ。

 

 

座っている間、脂肪分解酵素は抑制されている

研究者たちは、体内の脂肪を分解する「リパーゼ」という酵素にも注目した。動物に数時間座らせた後、体内のリパーゼの活動を調べると平常時の10%にまで抑制されていることがわかった。「つまり、事実上機能していないということです」とハミルトン准教授。動物実験のみならず、人での実験(生体組織検査のために有志たちの筋肉から少量のサンプルを採取して行った)でも同様の結果が得られたという。
人が座っているとき、脂肪分解酵素のリパーゼは抑制されている。それが結果的に脂肪の停留を招き、「善玉コレステロール」と呼ばれる高密度リポタンパク質の低下を引き起こし、最終的に代謝率が低下するのだ。
研究結果は今月、業界専門誌『Diabetes(糖尿病)』誌に掲載され、近々アムステルダムで開催される「第2回 運動と健康に関する国際会議」(Second International Congress on Physical Activity and Public Health)で発表される予定だ。

 

 

重要なのは、脚の筋肉を使うこと

研究チームによると、多くの人の場合、運動だけで肥満を解消するのは難しいのだという。注目すべきは、運動していない、座っている時間の過ごし方であると。彼らはもちろん、運動をやめるよう推奨しているわけではない。しかし、人が座っている間、脂肪を燃焼するための体の機能はほとんど働いていないことは事実。スポーツジムで汗を流していない間に自分の体に何が起こっているのかということに、人はもっと注目しなくてはならないのだと彼らは主張する。
では、どうしたらよいのだろうか。ハミルトン准教授は答える。「ずっと座り続けるのではなく、ときどき立ち上がり、少し動きまわることが大切です」。
テレビゲームをしたり、パソコンで仕事をしたりしている間にも上半身、特に腕や手をよく動かしているから運動不足とは言えないと主張する人もいるかもしれない。しかし、腕はさほど重くないし、人の体の筋肉で脂肪燃焼に大きく関わっているのは「脚や背中の筋肉」なのだとハミルトン准教授は説明する。
「脚や背中の筋肉は大きくて重い。大人の脚には約9キロずつの筋肉がついています。この筋肉は、日常的に使われるものです」。もちろん、脂肪燃焼にも有効だ。しかし、座っている間には酵素(リパーゼ)は抑制されてしまっている。酵素なしでは、脂肪燃焼は不可能なのだ。

 

 

寿命を延ばすために、日常的にできること

立ち上がって歩きまわった後の効果がどのくらい継続するのかなど、いまだに不明な点も多い。しかし、その答えは予想以上に早く見つかるだろうとハミルトン准教授は期待している。「こういったことに関する研究が、今後数年の間に盛んに行われることになるでしょう。すでに世界のあちらこちらで有能な科学者たちが独自の研究に取りかかっています」。
現代に生きる私たちは、半世紀前の人々と比べても生活の中で座っている時間が長い。さらには、昔より食べ過ぎで、あまり運動をしていない。それが肥満に悩む人の増加を生んでいるのではないだろうか。
太り過ぎに悩んでいる人はとりあえず、わかりきったことから始めてほしいとハミルトン准教授は言う。先述したように、長時間座り続けることを避け、ときどき立ち上がって、しばらく動きまわるのだ。彼らの研究が的を得ているなら、これであなたの寿命は少し延びるかもしれない。

 

* 『ABCNews.com』2007年11月28日の記事(文:リー・ダイ 元ロサンゼルス・タイムズ紙科学記者)より

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